第61回太玄会書展
太玄会の由来に『中道を通し恬淡として前進するならば必ずや前途は幽深な輝きをはなち、大を成すであろう』とある。ここでの恬淡は無欲恬淡と解してよいだろう。
太玄が築きあげた半世紀の歴史は、まさに虚無恬淡の道。私利私欲を捨て、小異を捨てて各会派の大連合体を成し遂げてきた。心新たに更なる目標への第一歩となる51回展。とりわけ幹部陣の先導意欲に満ちた作は会場を随分と引き締め、15会派の集合体に相応しい作域の広さを見せつけた。
常任顧問の浅見錦龍、梅原清山、鈴木景堂、福田丞洲はいずれも老練な作。中でも浅見の作には一作一面貌の要素を含み、今作も呵成の四字が貫く。
会長田中鳳柳は、本格の六行を見せ(写真左上)、会のリ―ダ―に相応しい意欲作。理事長石川流芳は、行草の清楚な線を深化させる如く行間に意を配っている(写真右上)。
副理事長西村東軒は金文表現に新展開を試みようとするか(写真左)。
事務局長蕗野雅宣の四字に閉じ込める強烈な息吹き(写真右)。他にも小原天簫、宮負丁香、春藤大耿など、持ち前の様式を更に追求せんとする作が並ぶ。いわゆる伝統的な手法で制作される作品だけに、この豊富なバリエ―ションと強固な結束力こそ、同会最大の強みと言えよう。
主な受賞者。太玄賞=大森鳳城、小宮柳岱、近藤寿泉、里中光陽、林幸恵、稗田影風、蕗野祐涯、南溪石、山崎寛齋、山崎滋子、山崎洋子。特別賞=青井寛心、小林清谿ら5名。
(1・11〜17、東京都美術館)
|
|
|
|