大作の並ぶこの会のエネルギーには、強く印象付けられるものがある。
そのなかで筆頭は、何と言っても理事長小宮山俊の大作2点。谷川岳に訪れる早春の自然に、画家はおのが生命の詩を、うたいかけるのだ。作品に掲げた「日輪、月ありて吾」(=作品写真右上)の表題には、並々ならぬ芸術家の決意があり、作品の明るさのなかに精神の透明性を見る。
竹内摩美(=作品写真左上「晟華」)は、エジプトのモティ―フから仏像へと移る。深い慈悲を湛える仏像と、その背後の模様が幻想味を醸成する。大石喜代男(=作品写真右側「闘鶏開眼」)は、闘鶏を擬人的に捉え、デフォルメしたその姿が面白い。右手に小さく描かれた女性像は、女神とも言える存在なのであろう。水谷桑丘(=作品写真左下「神響」)、しめなわを張った大樹を切り倒す、その大胆な構図の迫力。自然に宿る神、その神響を感じさせる。長谷川保枝、俯瞰的に眺めた庭の花や樹木の爽やかさ。
中池英揚、鮮明な色調のなかで輪舞する花たちの華やぎ。シュ―ルな、新たな感覚が蘇る(=内閣総理大臣賞)。渡邉幸子、白骨化してゆくような枯れゆく樹々。深まりゆく秋のなかで自然の哀しみが響く(=文部科学大臣賞)。平井洋子、茜色の空に飛翔せんとする二羽の鶴とその一群。自然破壊の予兆を示すものなのだろう。動きある構図が活きる(=新美術協会大賞)。山崎富佐子、インド人の家族のやや真剣な眼差し。旅立つのは娘であろう。人物像および背景の確かな描写力。角田貫、のびやかな子供達の運動会の光景が楽しい。前村悦夫、刻がもたらす光景のイメ―ジ化。
主な受賞者。光琳大賞=大畑久子、角田貫、前村悦夫、大野喜美子。光琳賞=笠原春子。会員秀作賞=石原洋子、芝崎正之、二之宮丘仭、荒木靖子。他各賞多数。【佃 堅輔】
(6・1〜10、東京都美術館)
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