美術鑑賞社 05(zero-five)ギャラリー
2005年10月10日


 

 第52回新美術協会展

 『今世紀に生きる生命讃歌の美術創造をねがいその成果を問ふ』この会も第52回展。大作が会場を占め、会の力強さを印象付けるが、特に小宮山俊理事長の四曲屏風「流れくる秋」(=作品写真右側上)は、87歳にむち打って自ら運転し、千葉養老渓谷を取材したという。岩彩の美しさを画面に塗り込み、秋の景色は華やぎの生命感に満ちる。もう一点の「エメラルドの宴」も六曲の大作である。竹内摩美は、紺青の夜空に照らし出される古代エジプトの幻想風景を濃密に描いた「ラピスラズリ―響―」(=作品写真左側上)。大石喜代男の「歪んだ地殻」(=作品写真右側下)は、地殻も天も歪んだ動きに強いられる異常な自然現象を、シュルレアルに描く。水谷桑丘「りんご日和」は、赤いりんごと子供たちの健やかな姿と収穫する大人たちとの対比が、自然美の調和のなかにある。山崎富佐子「眼差し」=新美術協会芸術大賞(=作品写真左側下)。正面を見つめる少女の眼差しの表情を的確に捉える。花を積んで川を下る船上の彼女から、風景の奥行き及ぶアングルが決まる。阿部喜久代「春兆」=内閣総理大臣賞。春の訪れを、天体の光に淡く染められた遠景の雪山、徐々に色のニュアンスを変える中景の山なみと、赤く芽吹く近景の樹々。神秘的な自然の営みを詩的密度で描く。新美葉子「石窟寺院の女」=文部科学大臣奨励賞。古い寺院の内部の大きな柱や壁画と、色鮮やかな布に身を包んだ二人の若き女性に歴史の流れを感じとらせる。太田洋子「草々の詩()」=新美術協会大賞。繊細な感性で秋草の詩をうたう。加えては渡邊幸子の「榧 再生(かや、ふたたび)」における巨大な樹木に漲る生命の迫力。加知満「葉音」、若葉の春のメロディカルな清々しさ。平澤寿康「峯」=会員佳作賞での、雄大な山々の峰の神々しさが印象に残る。【佃 堅輔】

(6・1〜10、東京都美術館)

 

第1展示室
第2展示室
第3展示室
 


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