国際現代美術家協会(略称ima)所属の女流作家による恒例の選抜展も、第20回を数えるに至った。
この12月に迫る本展の大作とは趣をかえ、銀座での発表は手頃な鑑賞作品に絞られ、出品全32名による洋画・日本画・版画・水彩画・水墨画・染画等々、多彩な作品が出揃った。夏の展覧会に相応しく、爽やかな印象の作品が多かったが、このようなところは、やはり女性ならではの細やかな配慮というものか。
後藤カツエ“夏日”、檜原和子“アインドラハム”など、着目された作品は他にもあったが、今回は特に松田明美“避暑地の昼下がり”(=写真左上)をピックアップしておきたい。
モティーフをざっくりと捉えた作調は、もとよりこの作家の手中とするところ。今回はその基調となるブルーに加え、グリーン、パープル、そしてホワイト等、色彩の対比が加えられ、画面は透明さをより増している。明るく処理された前景に涼感も一入。
(8・16〜21、銀座地球堂ギャラリー)
諸留大穹(もろとめたいきゅう)氏は、'84・'86年の東洋書芸院賞を皮切りに、'95年に産経国際書展フジTV賞、'96年には同・文部大臣奨励賞と受賞を重ね、現在は東洋書芸院・産経国際書会審査会員として、近年とみに顕著な活躍を続けている。
今展は今年5月に故郷網走で行った、第3回個展の帰京報告としての開催。圧巻はやはり182×288cmのテーマ作“子供の情景”となろう。会場の都合から7連作のうち、3点を選出しての展示となったが、象形文字の「子」を素材に、無垢なる魂の奔放なパワーと可能性が、作者の心の奥底における追想のイメージと律動的な呼応を示して、各作ともに共感を誘う。
このイメージの感受そのものを、鑑賞層がどう追体験していくのか。これが実作のひとつの要ともなってこよう。なおこれら一連の作品は、網走市蔵として小学校などの公共施設に展示保管されるとの由。意義高き個展の成功を喜びたい。
(8・24〜29、文京シビックギャラリー)
續木湖山会長が率いる慶山會恒例の第28回展。会員一同、各自の感性に合致した古典を追求して、創作へと展開すべく努力を重ねており、伸びやかで明るい会場には好感が寄せられる。
半切を主に六尺正方の大作から小品まで。88名が全力を尽くして篆・隷・楷・行・草・かな・漢字かな交じり等の各書体に取り組んでおり、個々の表現も奥行きと幅を増している。真摯な継続による、何よりの収穫というものであろう。
續木会長は半切の“松樹千年翠”(=写真左上)をはじめ、吉川英治句、西条八十詩などで5点を出品。来年には卆寿を迎えられるが、その筆勢には、なお己を全うする不変の意思力が貫徹される。
その他、臼井南風“花迷人眼”(=写真右上)、吉田佳石“ゆく夏の…”(=写真右)ら幹部陣の各作から新鋭まで。いずれも誠意の籠もった作品を一堂にすれば、無論キャリアによる差はあっても、力と技を尽くす点では甲乙付け難い。それぞれに趣を異にしながら工夫をみせ、線質の洗練に賭けている。
(8・27〜31、銀座松坂屋別館五階カトレヤサロン)
第19回重陽会展
毎日展の審査会員で、書道芸術院常任理事、日本刻字協会の副理事長を務める松原秀圭氏が主宰する、重陽会の第19回展。
刻字と書からなるこの会も、根ざす柏の地に新しい足音を響かせながら、なごやかな前進を続けている。「日々の生活の中での制作は、私たちに生きる勇気をくれます」と主宰が語るごとく、溌剌とした会場の雰囲気からは、会自体の明るさと、楽しむ要素を取り入れ、大切にしてきた制作の土壌が如実に感じられた。
時間のかかる木彫刻字以外にも、手軽に短時間で楽しめるようにと始めた、オリジナルのアクリル等を使用した作品も半数近く。現代性との融合への挑戦も、いよいよここにきて定着した感がある。
今回の出色は会員分刻による“日本の名山から”と、“智永真草千字文”など一連の近作を網羅した、内山良子さんの古希を記念したコーナー(会場写真右)。ともに好企画として、来場者の関心と注目を集めていた。
(8・28〜31、柏市民ギャラリー)
総出品者36名と小振りな会だが、一系統のみならず様々な線質のかな作品が楽しめる。個性を尊重しての作品づくりは、社中の和を伝えるものといえよう。少数グループのまとまりの良さを最大限に発揮して、熱意溢れる制作に、こまやかな愛情が注がれ、落ちついた雰囲気に、四半世紀を越えた経験が活きている。
主宰の原秀子“はな活けて…”は、静かな室内の一隅にスポットをあて、ほのかな情感を浮かびあがらせる。両輪を成す原満子は半切額の“三日月に地は朧なりそばの花”他で三点。山頭火句“お日さま山からのぞいてお早う”(=写真左上)の、微笑ましく朴訥とした自然感は、実に爽やかであった。
会員からは池田和子“この道や”、岡本万智子“めにあてて…”、木津ゆき子“秋風の…”、村田紀乃恵“みておきし…”などの各作に注目。研究一途な歩みが、古典から現代への表現の多彩さに、スムーズな進展となって成就している。
(9・7〜12、銀座鳩居堂第二画廊)
プロムナード
ひょんな事から足替わりの中古車探しが始まった。
情報誌を買い、中古車展示場も幾つか廻ったが、価格が高すぎたり、経歴が不明だったり…。一ヵ月位探してみたが、どうもピンと来る車が無い。そこでインターネット上のフリーマーケットで個人売買の掲示板を検索し、これはと思うものに、9月9日購入希望のEメールを出してみた。
翌日、返事が届く。まだあるとの事なので、11日に早速試乗させてもらう。車の状態も良いし、メンテナンスもディーラー系でしっかりと行われており、正しく掘り出し物と即決。13日には早々と小社の車庫に納まった。名義変更も難なく終え、価格も相場の半額以下。やはりインターネットは使える。
【藤谷弥道】
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